充電終わったらキスしよう





――ピンポーン


インターホンが家中に響いた。

今あたし以外この家の人間っていなかったよなあめんどくさいなあ誰だろうなあとか思いながら、あたしはベッドからよっこらせと立ち上がる。

どこぞのばあちゃんかと言いたくなるようなよっこらせはこの際気にしたら負けだ。


「ちょっと出てくるから。春人はゆっくり考えてていいよ。」


部屋のドアを開けながら振り返りざまにそう告げる。

春人はうつむいたままコクンと一度うなずいた。

あたしはそれを見届けて部屋から出る。


階段を下りながら見えないお客さんに向かって「はいはい」と言ってしまうのは日本人の性質なのかなんなのか。

例に漏れず純日本人のあたしは階段を下りながら「どちら様ー」とか言って玄関へ向かうわけで。

鍵を開けてドアを開ける。

短い階段の向こうにある小さな門、その向こうに見える人影。

色素の薄い肌の色と髪の色、華奢な体型に女子かと思うその顔立ち。

の、上に黒縁眼鏡。の、下に冷たい瞳。


「……ノア?」


まぎれもなくノアだった。

あたしは玄関から出てノアの方へと歩み寄る。

ノアも門を開けてこちらへとやってきた。


「え、お前なんで外うろうろしてんの。」

「居るんでしょ。」

「は?」

「ハル。あんたの家に居ると思って。」