顔を上げた未来は、まっすぐにその人を見つめた。
「わかった、お姉ちゃん?」
お姉ちゃんと呼ばれて、彼女は一瞬驚いたように目を見開く。
けれどすぐに、微笑んだ。
「……しゃーないなあ」
あたたかな微笑みだった。
「ウチでええなら、よろこんで」
未来がにんまり笑った。
「……もうホント、悔しいくらいにお姉ちゃんの手なんだよね」と、言って笑った。
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「…………。」
「…………」
「…………。」
「……両手に花状態よね。」
「…………。」
「この間人のことを引きずり倒してしかも馬乗りになってきて襟首掴み上げて凄まじい怒声を浴びせてきた人がまさかこんなに両手に花状態だったとは思わなかったわ。」
「あのホントちくちく刺さること言わないでくれませんかね謝りますんでホントすんませんあたしが悪かったですごめんなさい。」
「いや別にいいわよ後頭部にでっかいたんこぶができてしかも背中打ち付けてちょっと痛みが長引いたくらいだから全然気にしてないわよ。」
「ちょっとスライディング土下座してくる。」
「ミャーコ、ファイト。」
「こら、ノア!未来先輩、あの俺からも謝りますのですみません許してあげてください!」
「春人クンから言われちゃったらしょうがないわね、許してしんぜよう☆」
「なんなのお前春人信者か何かなの。」
「この際春人クン&ノアクン信者で活動しようかと思うわ☆」
「あたしはどこからツッコむべきなのか。」


