あたしが言おうとした言葉を遮って、アンドロイドの彼女は言う。
「国から手紙が来たとき、お母さんはもちろん拒否した。けど、弥生はその話を聞き入れたんや。“ウチが居らな未来が心配や”言うて。せやけどな、弥生は未来が立ち直れてないって思てたわけちゃう、ただ未来に自分の元気な姿をもう一度、見て欲しかっただけやねんなあ」
「……それが例え、“自分自身”じゃなくても、ですか」
「そうなんやろうなあ……」
“弥生はそれくらい、自分の妹が大切やったんやで”
どんな形であれ、未来に自分の元気な姿を見せたかった。
わたしはここにちゃんと居るんだって、それを見て欲しかった。
弥生さんのその気持ちに嘘はない。
でもそれが、その方法が少し間違ってしまっていて、だから未来を傷つけてしまった。
間違えたことは、どう正せばいいんだろうか。
「……――おねえちゃん?」
背中の方で、聞き慣れた声。
目の前の彼女の瞳が見開かれる。
あたしは反射的に後ろを振り向いた。
未来が居た。
学校帰りの未来が居た。
あたしじゃなく、あたしの向こうに居る人を一点に見つめる、未来が居た。
「……未来」
間違えた姉妹は、一週間ぶりに対面した。


