充電終わったらキスしよう





なにごと。

引っ張られている部分へ顔を向けると、布団の中から細くてかつ白い手が伸びていた。

その言葉だけ聞くとホラーなイメージをしてしまいそうだけど、見たまんまを説明しただけだったりする。

見たまんまを説明するとホラーな雰囲気になることが判明した手の正体春人は、深く被った布団から出ている頭が、枕からずり落ちていた。

どうやらズリズリこちらに寄ってきていたようだ。

それこそホラーか。


「…春人クン?」

「…………(ぎゅう)」

「このままだとキョウちゃん先輩、」

「…………(ぎゅぎゅう)」

「教室、」

「…………(ぎゅぎゅぎゅう)」

「戻れな……」

「…………(ぎゅぎゅぎゅぎゅう)」


「ということなのですみません残ります。」

「あらあら、そうなの?」


あたしが喋るたびに、服を掴む春人の手になけなしの力が込められるので、これはもう残るしかないと思った。

このまま戻らないと後で未来さんが「帰ってこなかったねキョウちゃん何してたのねぇ保健室で何してたのねぇねぇ」とかうるさそうだけど致し方ない。