「……つまり迎えに来たってことですか」
「せやなあ」
……あの未来が言うこと聞くだろうか。
あんだけお姉さんのことで荒れてた未来さんが果たして言うこと聞くだろうかと。
……ムリだな。
「あのー、うちは全然問題ないんで無理強いはしなくとも……」
「それはウチもしたないで?」
「いやーでもちょっと未来さんあのまま帰ることはムリかと。」
「そうやろなあと思う。出て行くときウチと喧嘩したわけやし」
「喧嘩して出てきたんですか未来さん。」
「まあ、喧嘩っちゅーほどの喧嘩やなくて……出て行くのを引きとめられへんかったっちゅーかなあ」
なんて言われたかとか、そういうことを言うような主義ではないと思われる弥生さんらしい言い方だ。
弥生さんはあの日きっと未来を引き留めようとして、でも引き留められなかった。
未来は言ったんだと思う。
『お姉ちゃんでもなんでもない機械にとやかく言われたくなんかないッ!!』
そんなことを、きっと。
弥生さんは小さく笑って、ポケットから煙草を取り出す。
どうやらそれは無意識の行動だったようで、あたしの顔を見て思い出したように煙草をポケットに戻そうとした。
ので、あたしは「どうぞ」と言う。「あたし特に煙草が嫌いとかないんでどうぞ」


