「え!?なんでノアが居るの!?」
「……あんた等そればっかだな。」
「当たり前だろ、春人が学校来てるのにお前まで学校来るとか誰も予想できねーから。」
「現実は小説より奇なり。」
「その言葉をここで使うのは果たして正解なのか。」
「え!?待って!?えぇ!?ノア大丈夫なの!?誰にもバレなかった!?」
「……うん、たぶん。一応バレないようにはして来た。」
「え!?わかるよ!?俺ノアだってすぐわかったよ!?」
「奇遇だな、あたしも一目見てノアだと分かったぞ。」
「……だからあんた等にバレるのは当然だっつってんだろ。」
「まあまあ~。それよりも桜井…春人くんって言った方が今はいいかしら~。体温計はもう鳴った~?」
らちの明かない無駄会話をまったり口調で止めてくれた手嶋氏。
体温計という単語を聞いてやっと思い出したのか、春人は慌てて体温計を確認。
「あ、止まってます!」
「あらあら~そうだったの~」
「すみません……!」
「あらあら、全然いいのよ~!」
どこまでもスローテンポな会話である。
あたしの中で春人と手嶋先生はあの縁側に腰掛けて「今日もいいお天気ね~」「そうじゃなあ~」とかいうまったりした時間を過ごすおじいちゃんとおばあちゃん的イメージだったりする。なんかごめん。
春人は体温計を取り出して手嶋先生に渡す……前にノアに横取りされた。


