一週間近く経ってもいまだに未来がうちに居候しているともなればさすがの良心の塊である春人も「えぇ!?未来先輩まだキョウちゃん先輩の家に居るんですか!?」と言ってしまうのもうなずける。

一週間。数字に置き換えると7日間だ。

その7日間を未来さんはあたしの家で過ごしているというわけだ。もはや家族の一員である。


「だから今お前がうちにくるといろいろと厄介なので断る。」

「そんなあ~……」

「勉強くらいノアに教わればいいと思うしそっちの方が確実にわかりやすいと思う。」

「うぅ……だってノア厳しいんですよ……基本は教えてくれるんですけどあとは自力でやれとか……」


実にノアらしい教え方である。

近々期末テストがあるもんだから、春人は若干焦っているらしい。

中間の時はあたしが勉強を見てあげた記憶があるけど、今回ばかりは未来さんの件もあるしちょいとキビシイ。

別にうちに呼んでもいいのかもしれない。未来さんなら問題ない。

だがしかし、問題はないにしろアイツはうざい。とにかくうざい。春人が関係すると何かしら絡んでくるので厄介だ。

だからってあたしが桜井家にお邪魔しようとすると今度はうちに未来さんが取り残される。

たぶん未来なら「あたしのことは気にせず春人クンといちゃいちゃしてくればいいじゃない☆」とか言うんだろうけどね、うざいね。

でもやっぱり友達を我が家に置きっぱなしにして他の家に行くとかそういうのはあたしのポリシー(?)に反する。


「……というさまざまな事情の上にこの結果が成り立つわけだ。」

「キョウちゃん先輩はどこまでもキョウちゃん先輩ですね……」

「だろうだろう。」

「うー……わかりました、じゃあ俺ひとりで頑張ります!」

「まあひとりで頑張った結果がこれだとあたしは何にも言えないんだがな。」