「なんだい未来さん。」あたしは目を閉じたまま答える。「あたし今から睡魔さんと夢の国へ出かけるところなんだが。」
「じゃあいいわよ。眠ればいいじゃない」
「そう言われると気になる人間の性と言うものが。」
「めんどくさいわねいいって言ってるでしょ!さっさとネズミーランドにでもネズミーシーにでも行けばいいじゃない」
「その夢の国じゃねーよ。あとミ○キーに謝れ。」
「あら、ごめんあそばせ」
「お前なんか夢の国に行ってゲートを潜ったらたくさんのミ○キーに出迎えられてしまえばいいのに。」
「量産型ミ○キー……」
「えお前なんでちょっと喜んでんの。」
「うるさいわね!っていうかさっさと寝ればいいじゃないおやすみ!」
「お前のせいであたしの睡魔さんが出て行っちゃったじゃないかどうしてくれる。」
「知らねーわよ」
「未来さんが何を言おうとしたのか教えてくれるまで眠れる気がしない。」
「あーもうホンットうっさいわねキサマはッ!!」
いつもの未来さんよりは全然うるさくないと思うんですけれどもとか言ったら今すぐ蹴り落とされそうなので言わないでおく。あたしってば超良心的。
未来さんは何故か自分の背中であたしの背中を押してくる。
危うく落ちかけたところでなんとか踏ん張ったあたしマジがんばれ。
「未来さん未来さん、キョウちゃん落ちる。超落ちる。」
「……りがとうって言おうとしたのよ!」
「…………。え、なに?」
落ちそうなのを寸前で踏ん張っていたあたしは、未来の言葉がよく聞こえなくて、思わず聞き返す。