やっとベッドに入ったのは夜中の12時も過ぎた頃だった。
じゃんけんで決めた結果、未来が壁側、あたしが外側という寝る位置になったので若干落ちそうな気配がして眠れる気がしない。
「あたしが寝相悪いことは合宿の時に未来さんもわかったはずだ。」
「言っとくけどあたしもあたしでかーなーり寝相悪いからね。じゃなきゃ合宿の時にあんな体勢で寝てないわよ」
「そういえばそうだった。っていうかあたしが蹴り落とした記憶が」
「今日はその時のお返しと言うことであたしが蹴り落とすことになるわね☆」
「そうだ、床で寝よう。」
「女の子が雑魚寝なんてあたしが許さないわ!」
「じゃあ代われよ。」
「代わらねーわよ。」
自分がグー出したことを悔やみなさい!とかどこぞの悪役的なセリフを吐いてから、未来さんは壁の方を向いてしまった。
ただでさえよく落下するというのに、ちょっと動いたら落ちそうなこの位置であたしに眠れと。眠れと。
大事なことなので2回言いました。
もはや赤ちゃんが眠るあの高い柵のついたベッドの方がいいんじゃないだろうかと真剣に考えながら、あたしも外側を向いて目を閉じる。
これで不眠症になったら未来さんのせいにしてやろうと思う。
まああたしに限ってそれはないよね授業中常に寝てるからね不眠症何それ食べ物状態だからね。
あ、そろそろ睡魔さんがやってきそうだねこれ眠れるねなんの問題もなかったねおやすみなさいまた明日。
を、言おうとした直後に、
「……キョウちゃん」
微かにあたしを呼ぶ未来の声が聞こえたので睡魔さんが逃げた。解せぬ。


