「今日の晩ごはんは麻婆茄子よ!」と言い残してリビングへと去って行ったお母さん。
その後ろ姿を見送ってから階段を上るあたしの後ろで、未来さんはぼそっと、
「……あたし茄子嫌いなんですごめんなさい……」
とか聞こえない謝罪をしてた。
そういえばそうだったなと思い出しつつ、あたしはため息。
……しょうがない、茄子たっぷり食わせてやろう。
*****
「……キョウちゃん」
「…………。」
「キョウちゃん」
「…………。」
「キョ・ウ・ちゃ・ん?」
「はいなんでしょう。」
時刻は午後10時を回ったところ。
すでにベッドにうつ伏せになって睡魔とお友達になりかけていたあたしは、けれども未来さんが殺気を放ちながら呼んでくるので、しかたなく寝返りを打つ。
ベッド脇に立って仁王立ちさながらの格好でこちらを見下ろす、否、見下してくる未来さんマジ怖い。
あたしが晩御飯に茄子を食わせたせいもあるだろうと予想される。
実にすまんかった。


