充電終わったらキスしよう





靴を脱ぎながら言うと、お母さんは「あら、だってあんたまだまだ伸びてるじゃない」とさも当然のような顔で答える。

いや伸びてない。伸びてないよ母上。

っていうかこれ以上伸びられるとちょっとあたしそろそろ160超える気がするんだけどそんなに身長いらない。必要性を感じない。

……いやでもそういえば最近ちょっと自分の目線が高くなった気がしなくもないような。


「え、キョウちゃんまだ伸びてんの!?ちょっとその身長あたしに半分分けなさいよ!」

「半分も分けたらあたしの身長2桁になるじゃねえか。」

「あら素敵!やっとキョウちゃんを見下せるわ!」

「ナチュラルにひどいなお前。」


“見下ろせるわ!”ならまだしも“見下せるわ!”とか人に向かってサラッと言えるのはたぶん未来さんだけだと思うんだ。

おめでとう未来さん、これでキミもオンリーワンのナンバーワンだよ!

とか言ったら右ストレート飛んできそうなので死んでも言わないことにするあたしって偉い。


「あ、すみません!」あたしが心の内でごちゃごちゃ言ってる間に、未来さん。「突然なんですけど、今日から少し朝倉さんのうちに泊まらせてもらいたいんです!」


「お願いします!」と頭を下げる未来さんに、うちの母上が笑う。


「あらーやだわー、そんなに改まっちゃって!うちは全然構わないわよ!未来ちゃんなら大歓迎!」

「本当ですか!?」


ガバッと顔を上げて、未来は満面の笑みを浮かべた。


「ありがとうございます!お世話になります!」


……補足しておくと未来さんはうちの母上に対して若干猫被ってるんで。ええ、それはもう。