「ごめん、ちょっとコイツ保健室に連れてってくる」
春人の背中をさすりながら振り向き、未来たちにそう告げ…
……ようとしたのだがしかし。
「いちいち言わなくてもそれくらいわかるし」
「どうせ保健室行くんでしょ」
「わからない方がバカだし」
「いいよ先生には言っておくから」
「気にせず行って来ればいいじゃない」
「勝手にイっちゃえばいいじゃない」
「さっさと逝ってしまえばいいじゃない」
「お前等の変換機能はどうなってやがる。」
*****
熱を測ると38度は軽くあった。
これから春人クンが一番お世話になるであろう保健室の先生も目が点だ。
「あらまあ、よくがんばったわね~桜くん」
「桜井です。」
「あらあら、そうだったわね~。ごめんなさいね春夫くん」
「春人です。」
「あらあら」
のんびり頬に手を当ててにっこり微笑む保健室担当・手嶋(てしま)。
この先生はこれがデフォです。
すでに喋る元気すらないらしい春人に代わって名前を修正してやるあたしの身にもなってほしい。


