「……昨日、あたし、病院のエレベーターを使わないで最上階に行こうって、それじゃなきゃダメなんだって言ったでしょ」
そういえば言ってた気がする。
あたしが「うん」とうなずいてみせると、未来は自分の足元を見つめた。
「あの病院の最上階にね、秘密の部屋があるんだよ」
秘密の部屋とか聞くとちょっといやかなりファンタジーなイメージが湧くけど断じて違うので落ち着け自分。
「……秘密の部屋?」
「そう。エレベーターじゃ行けなくて、階段を一番上まで上った扉の鍵を開けて行かなきゃ行けない部屋」
扉があるなら秘密の部屋って言うより開かずの間じゃないかってなんですぐツッコミしたくなるんだ自分ホント黙れ。
「その部屋に何かあったの」
「あったよ。アンドロイド専用の病院」
初耳だった。
「アンドロイド専用の……病院?」
「正確には病院って言うより、研究所、みたいな。故障したりしたアンドロイドを修理する場所、って感じの施設があったの」
そんなのは聞いてない。ノアはそれに関して何も話してはくれなかった。
まあ当然と言えば当然で、ノアは何かその場で必要なアンドロイドの情報を喋ってくれるだけだったわけだから。
聞いたら教えてくれるんだろうけど、まずそれを聞くきっかけっていうのがなかったからしょうがない。


