「標準語しか理解できないんでちょーっと何言ってるかわかんないっすね。」
「標準語に直すと、今日学校来てなかったから電話してみたんだけど連絡つかなかったから朝倉なら何か知ってるんじゃないかと思って聞いたんだよ!これで満足か!」
「把握しましたがしかし残念ながらあたしは何も。」
「そうか……」
「あとで家行ってみるかなあ」とかなんとかつぶやきながら教壇へと戻って行くスーさんの背中を見送っていたあたしは。
――バンッ!!
教室中に響いたドアの開く音に、思わずそちらへと顔を向けた。
顔を向けた瞬間「!?」ってなった。加えて「ゲッ」とも思った。
教室のドアをこれでもかというくらい勢いよく開けた犯人は、まさかの大荷物を背中に背負った未来さんだった。
しかも顔が超不機嫌そうである。目元が真っ赤なので号泣したのがまるわかり。
そんなヒッドイ恰好をした未来さんは何故か私服で、よくもまあそんな出で立ちで校内入ってこれたわねって半ば関心さえしてしまっているあたしである。
未来さんの視線は一直線にあたしに向かっていて、その微動だにしない視線のままズカズカとこちらへ歩いてくるわけで。
え、ちょ、なにコイツ。
バンッ!と、未来があたしの机に両手を置いた。
「キョウちゃんッ!」
自分の机に置かれた未来の両手を見下ろしていたあたしは、名前を呼ばれて顔を上げる。
未来の真っ赤な瞳とぶつかった。
そして未来は言う。
「お願い!今日から朝倉家に泊めてッ!」
「………………。はい?」


