それからうつむいている春人の顔を覗き込む。
んだけど、いつぞやの状況と同じく髪の毛がさらさら落ちてきて、よく顔が見えない。
もういっそ坊主にしてしまえ。
冗談です。
「…春人?」
「…………」
返事がない、まるで屍のようだ。
冗談です。
「……春人、どうした?」
「……せんぱい」
「はいはい」
「……きもちわるい」
「言うと思った。」
もはや春人の雰囲気だけでどういう状況なのかがわかるようになってしまっているあたしってすご…ってあたしは医者か。
そうとうキツイのか、あたしの肩に頭を乗せて寄り掛かってくる春人。
あたしはその細い背中をさすってやる。熱い。
と、春人が肩に頭を乗せたまま「おえっ」と嘔吐きだしたので「そこで吐いたら放置な」と言っておく。
まあそんな無茶言っても、気持ち悪くて吐いてしまうことには抗えないだろうから、これは保健室に連れて行くしかない。
ので。


