そうやって普段通りの思考回路は働くものの、考えることはあたしにしては珍しくマイナス思考だ。
口を開くとネガティブセリフ連発しそうだったから黙ってたら、ノアはそれを、さきほどの問いの答えとして受け取ったらしい。
「…何もできないって、思ってるんだ、ミャーコは。」ノアはいつもの調子で言う。
「……できない、と思ってる。」正直に答えた。
ノアはカクンと、首を横に倒す。
さらさらと、髪の毛が頬にかかって邪魔そうだった。
「……じゃあ、俺もハルも、何もできない。」
きっぱりと言われて、少し刺さった。
「できない、か」
「できないよ。ミャーコが持ってきた問題なのに、ミャーコができないなら、少なくとも俺にそれはできない。」
ノアが言ってることは正しい。正論ってヤツかもしれない。
ムカつく&情けないことに、後輩に正論吐かれて反論できないあたしだ。
あたしができないと思っていることを、何も知らない他人に放り投げるなんてそんな無責任なことはできないし、したくない。
……っていうか、何もできないって、なんで思ってんだろう、あたしは。
「……本当ですか?」
ノアと同じ声質、けれど温度の違う声が、あたしに問いかけてくる。
声の主は春人で、ノアから視線を隣によこすと、春人の真剣な瞳とぶつかった。


