っていうか自分で言っておいてあれだがラスボスとか回復魔法とかあたしなに阿呆なたとえしてるんだろうね。
いや別に脳内がRPGのマップになっているわけではないです。
わかりやすいたとえを考えたらそれが出てきたってだけであってあたしの脳内が以下略。
とかね。
あたしの思考回路がバカなこと考えてる間に春人クンがふらふらになってますよ、って…
……え、ふらふら?
「ちょ、春人どうし…」
様子がおかしいのは一目瞭然だったので、あたしは慌てて問いかける。
けれど春人は、さっきまでとは打って変わって、あたしの言葉に全然反応してくれないわけで。
うつむき加減で近くの壁に手をついた春人クンは誰が見ても明らかにヤバい。
それはラスボス未来さんにもわかったようで、
「あら、春人クンてばどうしたの?そんなんじゃキョウちゃん守れないわよ!」
とかなんとか言いやが…っつーかお前さっきっからなんなのなに勝手に結婚させようとしてんのそんなにあたしに嫁に行ってほしいのだが断る。
そんな意思を込めた視線で、未来に向かって右手を払ってみせる。
まあつまりはシッシッと野良犬を払うみたいな態度をとったって話。
すると未来は、「なにその態度!あたしは犬じゃなくて猫よ!」とか言って怒ったんだけど未来さんそこ怒るとこじゃなくね。
けれど今はそれどころじゃないので、意味不明なところで怒る未来さんなどスルーに限る。
あたしは空いている左手で、ふらふらになっている春人の腕を掴んで支えた。


