シルエットがドデカいのでたぶんこれが泉の言ってた“街で一番デッカイ病院”なんだと思われる。
っていうか病院名言えよって感じだよね、もう手遅れだけどね。
病院の自動ドアを潜った瞬間、前を通った看護師さんに驚愕の表情で凝視された。
たぶんあたしがずぶ濡れだからだと思うっていうか絶対それだわ。待合室に居る人々の視線が痛いから。
こっち見んな。
あたしはその視線を受け流しつつ、受付までばしゃばしゃと(靴とか制服とかの水が凄まじいためにこのような音が響くのである)歩いて行って、これまた驚愕の表情を浮かべている看護師さんに「あの」と。
「…あの、浜田弥生さんという方がここに運ばれてきてると聞いたのですが」
「……え、あぁ、えっと、浜田様ですね……」
看護師さんはもはや苦笑を通り越した失笑の顔つきであたしを一瞥して、けれどしっかしと調べてくれた。さすがプロは違う。
「…はい、たしかに浜田弥生さんはこちらに運ばれてきてますね」
「どこですか」
「申し訳ありません、現在は面会ができないということに……」
その看護師さんの言葉は途中で、
「……キョウちゃん?」
聞き慣れた声に遮られた。
あたしは反射的に、声の方へと顔を向ける。
そこには、さっきまで教室に居た様子と、まったく変わりない未来の姿があった。


