充電終わったらキスしよう





そうこうしている内にあたしの家に着いていたりする。

雨はいまだに止む気配がないので、しょうがない傘を貸してやらんこともないとノアに傘を持たせたまま帰ろうとしたら、ノアに傘を突っ返された。

「貸してあげるよ」と言ったら、「別にいい」と言われたので、「風邪引くでしょ」って言ったら「俺アンドロイドだから風邪引かない」って言われてそれもそうだったと思い出した。

「いやでもあんまり雨に塗れると壊れるんじゃないの」とか余計な心配をしてしまうところやっぱりあたしは根っからのお節介だなと思う。

するとノアは「それだけで壊れてちゃハルの身代わりできないって言ってんじゃん」って半ば呆れ気味に答えた。

こっちは心配して言ってんのに。

まああんたがそう言うなら別にいいけど。

というわけで、突っ返された傘を受け取ると、それを見届けてからノアは「じゃーね」とあたしに背を向けて雨の中を走って行った。

……アイツ走って充電切れにならないんだろうか。

家に帰ったあとのヤツの充電の心配などあたしがしてどうするって感じだけども。

あたしは遠ざかって行く華奢な背中を見送って、深呼吸ともため息ともとれない息を吐いてから家の中に入った。




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「えーバイトー?別に募集はしてないけど、人手足りないのは事実かなー」


夜、家に帰ってきた泉もといクソ兄貴、違うわこれじゃ名前がそれってことになってしまうわ、いやあたしとしてはそれでも全然問題ないんだけど親がつけてくれた名前を勝手に変えるのもアレなんで、クソ兄貴もとい泉にしておこう。

で、家に帰ってきた泉に、弥生さんの話をすると、ヤツは曖昧な答えを返してきた。