「これのことか」
あたしが自分の髪の毛をつまんで見せると、ノアはこくんと首を縦に振って見せた。
いつもより数百倍は女子力高い髪型してるから気になったらしい。
たぶんだけど。
「湿気のせいでくるくるになるんだよねあたしの髪の毛。」
「ふーん。」
「それを例のうざい系JK未来さんに遊ばれた結果がこれだよ。」
「あっそう。」
「笑いたければ笑うがいい。」
「いや、別に。」
「遠慮するな、似合ってないのは重々承知だ。」
「似合ってないとは言ってない。」
じゃあなんだ。
お前もアレか。“お嬢”って呼びたいってか。
解せぬ。
とか思ってたらノアが立ち止まったので、必然的にあたしも立ち止まらなければならなくなった。
なにゆえ立ち止まったしと振り向くと、ノアはいつもの無表情であたしを見下ろしていた。
滅多に口角の持ち上がらないその口を開いて、ノアは言う。
「いつもと違うから、ちょっと緊張する。」
…………お、おう。


