ずしっ、と。
背後に圧し掛かる重たい何かが、あたしの開きかけた口を止めた。
何が乗ったかなんて見なくてもわかるけど。
「おいこらリア充、道を塞ぐなそこをどけ」
「未来さん、重い。」
「乙女に重いってアンタ殺されたいのね!ひみこさまーっ!」
「どこが乙女だあたしの髪の毛で遊ぶなそして下りろ。」
あたしの顔の横で、ミディアムロングの髪の毛をぐるんと持ち上げるその手を掴んで後ろに落とす。
「ぎゃーっ」とかって転がり落ちた未来に、スカートを捲られそうになったのですかさず避けた。
未来と居ると反射神経が良くなる気がするけど、たぶん間違いじゃない。
「なんで避けるのよ別に見られたって減るモンじゃないでしょーが短パン穿いてるクセに」
「黙らっしゃい。」
減る減らないの問題ではなく単にスカート捲られるっていうのが嫌なのだ。
あと短パンはいいんだぞ。
あったかいんだぞ女子はおなか冷やしたらダメなんだぞ短パンは神様なんだぞ。
いや別にスパッツでもいいけど。
っていうかあたしには何故女子はスカートなんだという疑問が浮かぶわけであって女子はおなか冷やしたり足冷やしたりするのダメなんだから普通そこは足出さない格好しなきゃいけないんじゃないかと思うのであってっつーかあたし何語ってんの。


