「……ミャーコってさ」
「なんだい。」
「全体的に黒いよね」
「そうだね。」
「黒魔法でも取得するつもりなの」
「その発想はなかった。」
たしかにあたしは髪の毛も鞄も靴も傘も全体的に黒いけどまさか黒魔法を取得するとかそんな発想には至らなかったまさかコイツ神か。
アンドロイドは神にもなれるのか。なにそれやばい。
「……おー?」
ロボットを退けまさかの人間をも超越した神にまで上り詰められるアンドロイドとかやべえちょっとそれあたしもアンドロ以下略になるしかない気がするんだけどってあたしは何を目指しているんだろうねまずは常識を身に着けた普通のJKになることが先だろJK。
とかなんとか考えていたあたしは、前方から聞こえた聞き覚えのある声に顔を上げた。
ノアが立ち止まったので、あたしも立ち止まる形になる。
顔を上げたあたしの目線の先から歩いてきた人は、透明のビニール傘を差していた。
「なんや、キョウちゃんやないかー。ちょっとぶりやなあ」
「…こんにちは、弥生さん。」
あたしとノアの前で立ち止まったのは浜田家の素敵なお姉様、弥生さんだった。
タンクトップに裾の長い上着を羽織ってスキニーを履くというシンプルイズベスト的な服装にコンビニのビニール傘プラスコンビニの袋(中身はビール)という出で立ちでも絵になるお姉様マジお姉様。
雨の日でも変わらずタバコ吸ってるところとかホント素敵ですね弥生さん禁煙どうしたんですか。


