充電終わったらキスしよう





コンセントは防御力が5アップした!

…的な展開にはならないんですよこれが。

残念ですね。そうでもないね。


衣替えはとうに終わっていて、夏服になったその白い制服をちょっと捲って充電口を開ける。

さすがにもう慣れたよね、人の背中が開くこの光景。

パッと見、ただのホラー映画より恐ろしいと思うのだがそれはあたしだけだろうか。

という問いかけを飲み込みつつ充電器を開いたそこに差し込んだ。

その光景が若干尻尾が生えてるように見えてしまう非常に残念な思考回路は今でも健在である。


健在してていいのか。


「……はい、できた。」

「……ん。どーも」


さっきのメール同様、リアルでもこんな会話しかしないあたしとノアだ。

保健室はすぐに雨音だけの空間になった。

その空間が心地良い、とか言ってみる。


あたしはベッドに腰掛けて、淡いグリーンのカーテンを見つめる。

ノアはベッドの上であぐらをかいて、雨の降る灰色の外を見つめる。


体を支えるためについた手の、すぐ隣。

近い距離に座っているなに、お互い反対側を向いていた。


あぁ、あたしとノアだな。


なんて思ってみたりする。バカバカしいね。