「あ、お嬢お帰りですか!」
「お姉様!また明日!」
「お嬢!明日は縦ロールにしてきてくだせえ!」
「お姉様!お気をつけて!」
「なんなのお前等ホントなんなの。」
と、言いつつも「じゃーね。」と右手をひらひらと振ってみせて教室を後にした。
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保健室のドアを開けると、ちょうど出ようとしているところだったらしい手嶋先生と鉢合わせになった。
手嶋先生はあたしを見るなり理由を把握したようで、頬に手を当て「あらあら」と笑った。
「朝倉さん、いらっしゃい〜。ノアくんでしょう?」
「あー、えぇ、まあ。」
先生が事情をわかっていることの何が楽って、説明(言い訳ともいう)が省けることだよね。
無駄な労力使わなくていいから大変ありがたいです。
(ただ単にめんどくさいだけとか言えない。)
「そうなのね〜。ノアくん、一番奥のベッドで寝てるから、コンセントは一番近い壁についてるのを使ってね〜」
「あ、はい、ありがとうございます。」
「不安なら、鍵は閉めてもいいからね〜」と手に持った鍵を揺らして見せてから保健室を出ていった手嶋先生マジパネェっす。


