おいおい世間。こんなに狭くて大丈夫か。
大丈夫じゃない、問題だ。
未来さんは「うわー」と感心というか呆れというかなんというかな声色で言う。
「なあに、じゃああたしとキョウちゃんは上のきょうだい共々同級生なの?え、なにそれすごい(笑)」
「何故そこで(笑)をつけたし。」
「運命感じちゃうよねキョウちゃん☆」
「いえ、まったく。」
「キョウちゃんには失望した。」
「わけがわからないよ。」
「……あ、そういやただの同級生ちゃうかったで」
何かを思い出したように、弥生さんは禁煙煙草を指で挟みながらそう言った。
あたしはその言葉の意味がわからずに聞き返す。
「…ただの同級生じゃなかったってどういう。」
「んー。まあ、アレや」
弥生さんはあたしを見てから、ケロッと。
「元カレやねん、アンタの兄貴」
卒倒するかと思った。
同時に土下座したくなった。割りと本気で。
「……それはマジっすか弥生さん。」
「ホンマホンマ。ウチ嘘つかへん」
「なんていうかそのウチのクソ兄貴がお世話になりましてホントすみませんごめんなさい。」
「え、なんでウチ謝られてんの?」
「キョウちゃんは才色兼備だけど一般人からだいぶズレた思考の持ち主だから生暖かい目で見てあげてね☆」
「お前が言うな。」


