そんなお姉様にあたしは恐る恐るといった感じで。
「…あのー弥生さん」
「はいよ」
「失礼ですが、おいくつでいらっしゃいますか。」
「24。…やでな?」
「ちょっと自分の年齢くらい覚えといてよ若年性健忘症か。」
「20歳過ぎると年齢どうでもよくなんねん。まあたぶん24歳やな」
「……あ、ウチの兄貴と一緒。」
意外だ。ウチの兄貴の方が全然ガキっぽいのに同い年だなんて。
信じたくない。
弥生さんはボソッと呟いたあたしの言葉に、眉をひそめて首を捻った。
「んー?ちょい待ってな、キョウちゃんって苗字朝倉やねんな?」
「まあ、そうですけど。」
「兄貴の名前は?」
「泉です。朝倉泉。」
「…………。アイツかあああッ!!」
バーンとテーブルを叩いて大声を上げた弥生さんに、あたしも未来さんも同時にビクッた。
弥生さんはもう一度あたしを見て、それから二度、首を縦に振った。
「あーわかった。そうや、キョウちゃんの顔どっかで見たことあると思ってん。そうかアイツの妹やったんか…」
「…ウチの兄貴と知り合いだったんすか。」
「知り合いも何も、高校同じやってん。」


