視線がぶつかる。その目はあたしを絶妙に捉えた。
夕日の茜が濃さを増した。
「……なんでだろう、ね。」
――フッと。
ノアが笑った。
それがなんだか、異常なまでにムカついた。
「……人間じゃないから、なに。」
喉の奥から這い上がってきたムカつきは、そのまま言葉になっていた。
「人間じゃなかったら、なんかあんの。」
「……ミャーコ」
「人間じゃなかったら、ダメだって誰か言ったの。」
「…………。」
「たしかにさ、お前アンドロイドだよ。それくらいあたしは理解してる。実際充電してるしね、わかってるよ。」
「…………。」
「でもさ、それを改めて言われるとムカつく。そんな顔で言われたらなおさらムカつく。」
いつも無表情だったノアが、初めてあたしに向かって笑った。
本当だったら、嬉しかったかもしれない。
あぁ、ノアが初めてあたしを見て笑ってくれたと、もしかしたらそんな、乙女みたいなことを思ったのかもしれない。
なのにそれが、こんなにもムカつく理由。


