ぐすぐすと内心で鼻をすすっていると、相手チームからサーブが飛んできた。
すかさずバックに居るアンダーが受ける。
高く上がったボールの下にセンターが入り込む。
「キョウちゃん、いくよ!」
「あいよー」
「キョウコ!返事に気合いがないわよ!」
「なんで今そこツッコむんだよおい浜田。」
そんであたしの名前はキョウコじゃねっつの。
と、言う前にボールがこちらへふんわり上がった。
「キョウちゃん!」
「はいはい。」
わかってますって。
右足から左足。コートを順に蹴って、跳ぶ。
左手を前に伸ばし、次いで右手を顔の横に。
グッと左手を折り曲げて、反動で右手を持ち上げる。
あたしはボール目掛け、持ち上げたその手を放り下ろした。
――バゴォッ!!
「ぎゃあああッ!!」
一斉に響き渡ったのは相手チームの悲鳴で、みんなしてあたしの打ったボールから逃げていく。
なにそれひどい。
対するこちら側は、何故か冷や汗を拭いつつ、それでも喜びの声を上げた。
「…さっすがキョウちゃん」
「女子じゃねぇ。」
「男子ですらねぇ。」
「え、人外?」
「いやー、あんなボール受けれるわけないわ…床にちょっと穴開いてないかアレ」
「だがしかし、これでウチのクラスは勝ったも同然」
「さて、圧勝フラグ回収すっか」
「お前等はあたしをなんだと思ってやがるんだろうね。」


