充電終わったらキスしよう





なんだどうしたと思いつつ振り返ると、あたしの背負ったリュックからだらりと垂れている紐的な何かを、春人の手が掴んでいた。

しかも春人は何故かゼェハァと息が荒い。

え、なに、もしかして:熱が出た。


「……は、春人…?」

「……せ、せんぱい…」

「なんだい春人クン熱が出たとか言うんじゃないでしょうね」

「……歩くの、早いです…」

「…………。あは」

「……あの、もうちょっと、ゆっくり歩いてください…」

「実にすまんかった。」


どうやらあたしは考え込んでいた間に歩く速度がいつも通りになってしまっていたようだ。

別に急かしく歩いているつもりはないんだけど、春人の歩く速度がかなり遅いモンだから、あたしが速いように感じるだけだと思われ。

あたしは考えるのをやめて、ひいひい言ってる春人の隣に並んで、歩く速度を合わせて進む。

うん、遅い。

これならカメの方が速いんじゃないかと思えるほどには遅いので、しかたなくあたしは春人のリュックに手を置いてグイグイ押してやる。

いきなり押されたからか、春人は前につんのめり、危ういところで体勢を立て直した。

焦ったような表情で、っていうか実際焦ったんだと思うけど、そのままの表情であたしを振り返る。