充電終わったらキスしよう






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「よくもまあこんな後ろの方をのらりくらりと歩けるよね、ホント感心する。」

「……うぅ…」

「まあ中学の時は参加すらできなかったんだから成長したなとは思ってる。」

「…ほ、ホントですか…?」

「でもここまでゆっくり歩かれるとキョウちゃん先輩どうしていいかわかんない。」

「…す、すみません……」


顔を上げて遠くを見る。まばらに見えていたはずの遅れ気味の生徒すらそこには居ない。

1年生の列、その後ろの遅れ気味集団、の、そのまた後ろ。

そんな後方のところに春人は居た。

ここまで後ろを歩いているとは思わなくて、遅れ気味の集団を通り越した時点であたしは一抹の不安を覚えていた。

まさか春人のヤツすでに手嶋先生が運転する車に乗ってるんじゃないだろうか。

体調が悪くなった人が先に目的地まで運んでもらえるみんなの憧れ別名救急車。

あの車が横を通ると必ず未来さんは「あたしも乗せろーっ!」とかなんとか叫びつつ右手を伸ばす。言うまでもなくその右手は空振りするのだが。

春人なら普通に乗ってしまいそうな救急車は今のところすれ違ってはいない。

あの車は行ったり来たりと忙しいので、すれ違う率は結構高いのだけれど、春人を探して逆走している間は一度もすれ違っていない。

ということはまだ救急車のお呼びがかかっていないということで大丈夫なんだと思いたい。

あたしが逆走するまでにすれ違った救急車の中に春人を運んでる時があったなら別だけど。