ふと見上げた空はアホみたいに真っ青だ。

向こうの方に見える山々も、これから来る夏の準備とでもいうように緑が濃くなっている。

けれど時折吹く風はまだ涼しい。

鳥の鳴き声が頭上で響く。

なんとまあ清々しい午前でしょうか。

あたしにしては気分も上々な方である。


隣にコイツが居なければ、もっと最高だったのに。


「ねえねえキョウちゃん飴食べない?」

「…………。」

「飴ちゃん美味しいよ飴ちゃん」

「…………。」

「ってかキョウちゃんにしては珍しく後ろの方歩いてるね」

「…………。」

「なんか後ろの方を歩く理由とかあんの?」

「…………。」

「ねえねえキョウちゃんってば」

「…………。」

「おいこら無視ってんじゃねぇよキョウコてめぇ返事しやがれ。」


ガシィッと首の後ろを鷲掴みされたのでキョウちゃんはとても命の危険を感じました。

うるさi…ちょっとお口ミ〇フィーちゃんにしてほしくて返事をしなかったら逆効果だった。不覚。