さっきよりもあたたかい。
人の体温と同じくらいということは、充電があと少しだという意味でもある。
安堵して、頬から再び頭へと手を回れ右させる。
ノアはもう眠ってしまったかな。ってか毛布一枚じゃ寒いかな。
もう一枚何かかけられるものを持ってこようと思って立ち上がったあたしは、
「……ミャーコ」
眠ったと思ったノアの声に呼び止められた。
振り向き、見下ろす。
髪の毛の間から、うっすらと開いた瞼の隙間、ノアの目があたしを捉えた。
「なに?」
「……どこ行くの」
「あんたが寒いかなと思って、掛布団もう一枚持ってこようと」
「……いい、寒くない」
“寒さなんて感じない”
小さくそう付け加えて、ノアはあたしに手を伸ばした。
あたしは無意識にその手を、そうするのが当然なんだろうとどこかで思ったのかもしれない、握った。
人の体温は、感じるんだろうか。
ノアはあたしの手の指の間に、自分の指をするりと滑り込ませた。
やっぱり、あたしの手の方が小さい。