少し、ホッとする。
充電切れの冷たさは、苦手だから。
温度は戻ってきてるから、異常事態とかはないようだし大丈夫だなと思いながら手を引っ込めようとした。
のに、あたしの手はあたしの意思とは逆の行動をとった。
まあようするに、ノアに手を掴まれて戻せなかったってだけの話。
充電はまだまだ終わらないから、強い力とかそういうわけじゃない。
単にあたしが驚いて、引っ込めるのを忘れただけの話。
「……ミャーコ」
ノアはいまだ完全には開けられない瞼で、あたしを見つめる。
「……車の中で、頭、撫でてくれてた…?」
「……うん、まあ。呼吸しやすそうだったから」
「……そっか…」
「え、もしかして鬱陶しかったとかそういうことが言いたいのかそうなのかそうなんだなごめん。」
「……や、別に。なんか、気持ちよかったし…」
「……あ、そう…」
あたしは手を掴まれたまま、呆けたようにノアを見つめた。
……なんていうかなんていうかさ。
もしかしてノアも春人同様、弱った時はキャラ変わるのか。


