充電終わったらキスしよう






ちゃんと春人の熱を測ったら38度あった。

あたしの予想もほぼ外れていなかったわけだ。自分すげえ。

とか自画自賛しつつ春人に薬を飲ませて「起きてきたらフルボッコ。」と脅しをかけてから部屋を出た。

毎回脅しをかけているのでそろそろ誰かに通報されそうで怖い。


リビングへ戻ると、ソファの上で横になっているノアの状態はさきほどよりもだいぶ落ち着いていた。

充電も危険な状態は脱したようだ。

ノアの充電にはだいぶ時間がかかるので、まだまだ充電器は外せそうにないけど。

あたしはリビングのドアを閉めて、ソファに、ノアの方へと足を進める。

それから床に座り込んで、さっき春人が額を乗せていた場所に腕を置き、その上に顎を乗せて息をついた。


やけに疲れた。

いつぞやかに未来が言ってたけど、たしかにあたしは体力がある方だ。

自分で言うのもなんだけど精神力もそれなりに強いとは思う。

でもやっぱり普通の人間だし、疲れることは当然で。

今の今までかなりの緊張状態だったことは否めない。走り回ったりもした。

けど、これは全部あたし自身が選んだ選択肢だ。

弱音もなし、文句もなし。

自分が“これがいい”と思って選んだ道なんだから、これが一番いい道だ。

だからあたしはこの道をまっとうするし、戻ろうとも思ってない。


春人も、ノアも。

あたしはどちらも大切なのだ。