双子か。お前等ホントに双子なんじゃないだろうな。
とか割と本気で疑ってしまう程度には仲がいいんじゃないだろうかこの2人。
うーうーとダダをこねる春人に、あたしは呆れ気味のため息。
徐々に甘えたな傾向が表れつつあるのでこれは完全に熱がある。
「…ノアは大丈夫だから。あたしが見とくし。」
「……でも…」
「“でも”も“だって”も“トッポ”もない。」
「……トッポは違うような…」
「それに比べてトッポってすげぇよな、最後までチョコたっぷりだもん。」
「……トッポ……」
「やべえこれはトッポで悟り開けるって今ちょっと思ったけど春人クンは部屋に行こうねそうしようね。」
「うぅー……」
「うぅーじゃない。あんたが早く元気になんないとノアも大変でしょーが。」
腰に手を当ててため息交じりに言うと、ようやく春人もわかってくれたようで、もぞもぞと立ち上がった。
でもその口は尖ってる。拗ねた顔だ。
コイツは一体いくつなんだろうかと一瞬考えるけどまったく違和感がないから年齢とかどうでもよくなってくる罠。
そんな年齢不詳疑惑が持ち上がりそうな春人はすでにフラフラしていて、あたしは仕方なくその腕を取り、背中に手を置いて倒れないように支えた。
なんであたしは今日こうも支えてばかりいるんだろうか。


