というかよく二次元で妹は可愛い立ち位置に居ることが多いが実際はまったくそんなことないんだからな。
「え?ウチの妹?今日も母さんに“ねえ、お兄ちゃんっていつになったら家から出て行くのウザいんだけど”って愚痴ってるよハハッワロス。」っていうのが一般的だからな。
……いや、そんなこともないか。
あと兄貴がよくカッコいい立ち位置に居ることも多いが実際はまったくこれっぽっちもそんなことないんだからな。
「え?ウチの兄貴?今日もパソコン指さして“俺の嫁が恥ずかしがって画面から出て来ない”って言ってるよ。」っていうのが一般的だからな。
……いや、そんなこともないか。
ってかまた話がズレすぎた。戻そう。
…どこに戻ればいいんだ。
ため息を一つついてから、あたしは足の上で辛そうな表情を浮かべているノアを見下ろす。
やっぱり充電器、持ってくるべきだった。
ここから家までは距離があるし、充電がもつかもわからない。
それに、ものすごく辛いだろうし。
そっ、と。ノアの頬に手を置いた。
ひんやりと冷たい頬は、そんなにあたたかくなれないあたしの手の温度をぐんぐん奪っていく。
ノアは目を開けない。
「…………っ」
名前を呼ぼうとして、やめた。


