充電終わったらキスしよう





というわけなのであえてのニッコリ笑顔など浮かべてみる。


「……ウチのクソ兄貴の息の根を止めることができるのなら地獄に落ちても構わない。」

「やー、ウチの妹ホント怖いよねー手が滑っただけだってー」

「ほざけ。」


吐き捨てるように言って、あたしはさっきの一言のみで再び口を閉ざしたノアの頭を支え、自分の太ももに載せた。

相変わらず息は荒い。けれどじんわりとジーンズ越しに伝わる温度は低い。

それを見届けてから、泉は後部座席のドアを閉め、運転席へと乗り込んだ。


「あー、そいやー春人クンの家ってどこだっけー」

「あたしが道案内するからお前は黙って運転してればいいと思うよ。」

「ミヤコの俺に対する態度が日に日に冷たくなってきてる気がするけど気のせいだよねー」

「ソウダネ気ノセイダネ。」

「うわーめっちゃ棒読みー殺意しか伝わってこないわー」

「殺意しか籠ってないからしょうがない。」


「っつーかさっさと車を出せ運転手仕事しろ。」とあたしが言うと、泉は「俺が居なかったらどうなってたかわかんないのにこの扱いとかマジないわー」とかなんとか言いながらもアクセルを踏んだ。

まあたしかに、泉が居なかったらどうなってたかわかんない。それは事実だ。

……しょうがない。

今度泉を起こすときは、金属バットをやめて辞書にしてやるか。

そう思って、いやバットも辞書も同等かと思い直し、いやでも泉の態度もどうかと思うしここはやっぱ辞書で手を打ってやろうと結論に至る。可愛くない妹で悪かったな。