一人でそう悩んでいると泉が「ってかセンセーマジ美人ー」とか言いやがりましたのですかさず背後から蹴りを入れて差し上げた。
言わずもがな避けられた。
「おい兄貴お前は一体ここに何しに来たんだ先生口説きに来たのか国へ帰れ。」
「口より先に手が出る女の子はモテないぜーミヤコさーん」
「うるさい黙れちゃっかり避けてそのまま妹の片足持ち上げてるお前に言われたくはない。」
「だってミヤコすぐ蹴るじゃーん。お兄ちゃんはそんな妹に育てた覚えはないですよー」
「お前に育てられた覚えもない。」
あたしの言葉などてんで無視で、泉は手嶋先生に向かって「すみませんウチの妹がー」とか言ってやがる。
それはこちらのセリフである。全力で。
かと思えば泉はなんの合図もなしにあたしの足をぽいと離す。
ちょっとこけそうになった。この兄貴いつか滅ぼす。
あたしの足を離した泉は、その手を春人…じゃなくてノアへと伸ばし、ぐったりしてるノアの腰辺りに腕を回す。
で、ノアも毛布もひっくるめてひょいと軽々抱え上げた。
荷物のごとく肩に担ぐ感じで。
「…なんでこう誰かを抱えてくれと頼むとみんなして肩に担ぐんだろうね」
いつぞやのノアが春人を肩に担いでたのを思い出しつつあたしがぼそっと言うと、泉がいつもの調子で「えーなに、じゃあお姫様抱っことかがいいの?」とか申したので「おいやめろ。」とだけ言っておいた。
…っていうか、ノアって軽いのか。
アンドロイドだからめちゃくちゃ重いんじゃないかと思ってたけど…そうかそういえば体重も身長も同じにしてないと身体測定の時とか困るのか。そうか。


