あたしはきょとんとこちらを見上げている手嶋先生の前で立ち止まる。
これからあたしが言おうと思っているのは「実は今ここに居るコイツは春人ではなく春人の身代わりで国がお作りになった(ヘタレ)アンドロイドなんですよ」ということ。
こんなことを言われたとして普通の人ならまあ信じない。
むしろあたしが病院に運ばれそうである。むしろ病院が来い。
でもこれは事実であって、けど先生が信じないのなら、それをムリに肯定しようとは思わないけど。
とにもかくにも、言う。
「…あのですね、手嶋先生」
「はい~、なにかしら~」
また語尾が伸び始めたのんびり屋日本代表・手嶋。
どうやら気が緩んできたらしい。
あたしの話を聞く気があるのかどうかとても疑問に思ってしまうが気にしないでおこうそれが一番だ。
「…えーっと、今ここに居る春人なんですが、」
「うんうん」
「春人じゃないんです」
「あらあら」
コイツ……ッ。
と、いう気持ちは奥歯の奥の奥の方で噛み砕いて飲み込んであたしはもう一度先生と向き合う。


