充電終わったらキスしよう






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一生の内で使う気力と体力を今日一日でほぼ使ってしまったような気がしないでもない。

なんせ放課後になるまで未来(とその他大勢)の攻撃から逃げ回っていたわけだから。

『彼氏居たならなんで教えてくんなかったの!』から始まり『彼氏の友達紹介して!』に変わり『どうせなら黒髪イケメンがいい!』に落ち着く。

何度も言うがお前等主旨変わってんだよって言う。

そして一応言っておくけどアレ(春人)は彼氏じゃない。

…とあたしが言うのに未来さんは聞く耳を持たない。

聞けよ。ホントに。お願いだから。


そんな感じで追い回され、放課後までどうにか逃げ切ったあたしに誰か拍手を。

なんてね、いいけど。

本日何度目かのため息を漏らしながら、昇降口で少し休んでいたあたしは立ち上がり靴に履き替える。

数日すれば未来も諦めるっていうか飽きるだろうとは思うけど。

っていうかそうであってほしい。


昇降口を出ると、そこにはもう誰の姿もなかった。

あの騒ぎ(合格発表)が嘘みたいだ。

嘘じゃないけどね。

しっかりばっちり712番で合格した春人クンに再会したからね。

…っつか、中学校は結構休みがちだったのに、よくここ合格したな。