「…はあ……またあの忙しい日々が戻ってくるわけね」
無意識にそうつぶやいたあたしに、春人は驚いたようなっていうかものすごく驚いた表情をする。
それからあたしにズイッと顔を寄せた。
近い離れろなんでそんな肌綺麗なのちょっと美肌の秘訣はなんですかって自分落ち着け。
「キョウちゃん先輩っ!」
「なによ」
「もしかして、また一緒に居てくれるんですか!?」
「…なに、ダメなの?」
当然そうなんだって思ってたあたしだったから、改めて聞かれてちょっと戸惑った。
また中学の頃みたいに、体が弱くてよく体調を崩す春人を看病したりするもんだって思ってたんだけど。
眉根を寄せて聞き返したあたしに、春人は何度も首を横に振った。
「や、違います!ダメじゃないです!っていうかうれしいです!」
「…あらそう」
「はい!やっぱり俺、先輩と一緒に居るの好きです!」
「おいこら春人満面の笑みで爆弾発言するのやめろ。」
「また4月からよろしくお願いします!」
どいつもこいつもあたしの話なんざ聞いちゃいねぇ。
聞けよ。寂しいだろ。いやなんでもない。
…なんて思いながらも、差し出された白くて細い、でもあたしより大きい手を、
「…はいはい、こちらこそ」
とか言いながら、握るしかあたしにはできなかったんだけどね。


