充電終わったらキスしよう





視線の先に居たノアは、なんかもうホントめんどくさそうな雰囲気で壁に寄り掛かって立っていた。

顔は相も変わらず無表情なんだけど醸し出されるオーラがものすごい“めんどくさい”っつってる。

“さっさと帰らせろ”っつってる。

伊達に一週間と少しを一緒に過ごしたわけじゃないんだぜとか言ってみる。

…まあノアの無表情の内にある心理を読み取れたところで“イラッ☆”としかしない。


めんどくさいのはあたしだって同じだ。

ものっそい大ダメージを受けて瀕死状態に陥っているウチの両親とか今ここに居るウチのクソ兄貴とかもろもろに春人ではないノアを会わせてしまったのだから。

あとで「春人クンどうしちゃったの!?」とかマイマザーに問いただされたときあたしは一体どうしたらいいんだと。

ちょっと遅めの反抗期だよお母さん……(ふっ)。

とでも答えておこうか。ダメか。そうか。


とかなんだとか考えていたあたしに、ずーっと床を眺めていたノアがふと顔を上げて目くばせしてきた。

以下、アイコンタクト。


『…早く帰りたいんだけどその人どうにかなんないの。』

『奇遇だな、あたしもそう思っていたところだ。』

『あんたと以心伝心できたところで嬉しくないんだけど。』

『お前ほどツクがムカムカするヤツにかつて出会ったことがあっただろうか。』

『あっそう。で、俺はいつ帰れるの。』

『とりあえず今あたしの前に君臨するこのラスボスを倒すまで帰れないと思え。』

『ミャーコ、レベル上げが足りてない。』

『まさかのツッコミにどうしていいかわからない。』

『レベル上げしてくれば。』

『ちょっと樹海行ってくる。』