「キョウちゃん先輩です!」
「その時あたし文句言ったことあったかしら」
「ありますよ?」
なんだと。
「“こっち向かって吐くんじゃねぇ!”って」
「そういう文句じゃねぇよ。」
どこまでも素で天然(もはや阿呆)を炸裂させるつもりらしい春人に、あたしは今度こそ本気で呆れた。
だからもう言ってやった。
「……あたし一回も“迷惑だ”とか言ったことないはずでしょ」
「あ、はい!」
「そういうこと。わかった?」
なんか支離滅裂感が否めないけど、春人はどうやらあたしが言いたいことを理解したらしく、
「…わかりました!」
って、本当にうれしいという気持ちが丸わかりな笑顔を浮かべてうなずいた。
つまりは、迷惑だって思ってたら、中学の頃あんなに面倒見てやってないわよって話。
それは高校になっても変わらない。
そういうこと。


