そんなオニイサマの足を思いっ切り踏んだまま、あたしは家の2階の廊下で殺気オーラを放っているところだ。
泉と再会した瞬間に思わず回し蹴りを炸裂させてしまったのだけれどもさすが我が兄貴というべきか簡単に避けられてしまったのでその腹いせも込めて踏んづけている次第であります。
2割ほどは“お前に会わなければノアは回れ右して帰れたのに!”という意味がある。残り8割はもちろん避けられたことへの倍返し。
久しぶりに会ったんだしウチ上がってこうかーとものすごい軽いノリで泉はノア(でも泉は春人だと思ってる)を我が両親に会わせてしまったのだ。
これがいわゆる死亡フラグというヤツだ。
ウチのお母様もお父様も我が子のように可愛がっている春人(ノアだけど)が久しぶりにウチにやってきたってだけでもうテンションがハイすぎて実の娘はどうしていいかわからなかった。
そうだここに病院を建てようとまあそれなりに本気で思ってしまう程度には両親が心配だった。
むしろ娘として寂しかったんだからねとか別に思ってない。
…だって春人(ノア)にだけなんかちょっと優しいじゃないのお母さん実の娘はここに居るのよ!
……とかそんなドラマチックな。
でも今の春人は外見こそ春人だけど実はノアという別人(アンドロイド)で、しかもウチの家族にはたぶん絶対冷たいと思っていた予想がクリティカルヒットしてしまった結果、ウチの両親は100HPの内99HPは持って行かれたと思う。
簡単に言って“瀕死状態”と言うRPG的なアレですね。
変な例えをしてしまって実にすまんかった。


