もはや泣きそうな声を出す春人に、あたしはため息をつきながら言ってやる。
「あのねぇ…熱が37度あってムリして合宿行ったとしてもさ、あとで熱が上がってまた学校行けなくなったら意味ないじゃん。」
「……そうですけど…」
「風邪治してからでも全然大丈夫なんだからさ。教室に“春人”が居ないわけじゃないじゃん。ノアが居てくれてるじゃん。今はまだ、ノアに頼ってもいいと思うよ。そのためにノアが居るんでしょ。」
「……はい」
「うむ。あとで雑炊作ってやるから、早くよくなれ。」
俯き加減だった春人のデコに人差し指を突いて顔を押し上げてやると、春人はあたしを見て、目が合うと笑った。
学校で会わないからか、久しぶりに春人の笑顔を見た気がして、なんとなくこっちまで笑ってしまった。
そのままノアに顔を向け。
「さあノアも笑うといいよ。」
「え、ヤダ。」
あっさりきっぱり拒否られてミャーコさんガチ泣きしそうです耐えろ涙腺。
「っていうかノアって笑えるよね…?」
「あんたの前以外ではね。」
「…………。」
「あと笑顔(その顔)でこっち見ないで。」
「破壊衝動通り越して抹殺衝動湧いてきた。」


