充電終わったらキスしよう





あたしはベッドに預けていた背を反動で前に倒し、あぐらをかいた膝の上に頬杖をついてイベントの書かれた紙を見下ろす。

合宿が終わったとしても遠足があるし、クラスマッチもあれば体育祭もある。

果ては強歩大会まであって、この桜井(勝手に)双子にとってはイベントの大半など地獄でしかないだろう。

イベント爆発しろ。

嘘です楽しいです爆発しないでください。

座って授業受けてるよりイベントでわいわい楽しんでる方がよっぽど楽しい。


まあ“授業受けてる”とか常日頃居眠りしてるヤツが何言ってんだって話ですけどね。

ちゃんと起きてたとしても、向こうの方から未来さんがぶん投げてくる丸められた紙があたしの頭にぶち当たってそれを思い切り投げ返そうとしたらスーさんに見つかって「…朝倉、そんなに俺に泣いて欲しいんなら言えばいいと思うよ!」とか言うスーさんを宥めにかかるから結果的に授業真面目に受けてる日なんてほぼないです。カチャンゴメン。

で、休み時間になった直後に立ち上がって未来さんに丸めた紙をぶち当てるっていう。

お前等小学生かってツッコミが入りそうだよね。同意せざるを得ないね。

あとねスーさんちょっとは怒ってくれてもいいのよ。そろそろ30なんだし大人の威厳と言うものを垣間見せてくれてもいいのよ。たぶん全力でいじり倒すけどね。


そんなハイスクールライフを送っているミャーコさんなので、この教育合宿をどう乗り切るかなどという計画をきちんと立てられるわけがないのである。ミャーコさんマジ涙目。


「やっぱ行かないっていう選択肢しかないような気がしてならない。」

「そんな~……」

「でもなー…教育合宿でみんなとの距離が縮まるのは確かだと思うんだよね。1回仲良くなればあとは気が楽だし、行った方がいいとは思うのさ」

「そうなんですか!?え、じゃあ行きます!」

「えだからお前はムリ。熱ある人参加しちゃダメ。」

「うぇー……」