充電終わったらキスしよう





欠伸をしたあとに腹の虫が鳴いた。

そういえばまだ昼飯なるものを食していなかった。


「あー腹減ったー」

「昼休み何時までなの。」

「えーっと何時だったっけとくに気にせず過ごしてるから覚えてないわ。」

「あっそう。」

「何食べよっかなー購買のパンもうほぼないだろうし弁当もないし…」

「……ごめん。」

「……あ?」


しかたないここはちょっと近場のコンビニで弁当でも買ってくるかと抜け出す方法を考えていたあたしは、不意に聞こえた小さな声に立ち止まって振り返る。

あたしが立ち止まったからか、ノアも同じように足を止めた。

少しだけ目線を上に向ける程度の位置にあるノアを見る。ノアはあたしを見てはいない。

なんつったのかよく聞こえなかったので聞き返す。


「え、なに?」

「……なんでもない。」

「…あ、そう」

「…うん」


絶対なんでもないって顔じゃないけどってノアは無表情なんだけどね。

でも雰囲気的に、なんでもないこと言ったんじゃないよなってことくらいわかる。

……まあ、言いたくないことムリに言って欲しいとも思わないから、気にしないことにするけど。