充電終わったらキスしよう





――カチッ


何かが外れるような微かな音がして、あたしが触ったノアの背中、背骨に沿った下の方が開いた。

もう一度言う。

背中が開いた。

大事なことじゃなくてなんかすげぇ恐ろしかったので2回言ってみた。


「あ、開いた…んですけど…」

「じゃあそこ、だと思う…」

「違ったらどうしよう」

「知らねー…」

「壊れたらごめん」

「……別に」


だからなんで言い返さないんだってば。

まあいいけど。

別に壊れたら修理すればいいって、そういう意味でしょ。そういうことにしとく。


ノアの背中の開いてる部分、尾てい骨のとこだと思うんだけど、そこに充電器を挿し込む。

再びカチッという音がして、綺麗にはまった。

なんだろうかこのジグソーパズルの最後のピースをはめた後の達成感に似た感覚は。

充電するだけにこんな時間かかったことなんてなかったよ…。

せいぜい「充電器がねぇ…」って充電器の方を探し回って時間かかるくらいしかない。

ノアもやっと回復ができることに安心したのかわかんないけど、横の壁にトン…ともたれ掛かった。