充電終わったらキスしよう





あたしの右耳には呼吸音が聞こえている。

あの時、ノアの充電切れを初めて見たときの、あの呼吸音に似ていた。

かなりヤバい。


『……体育館…』

『は、何、体育館?オーケーまかせろ死ぬなよこのヘタレロイドめ』


悪態をついて通話を切断。

携帯をポケットに突っ込みながらあたしは階段を下りた。


まさかまさかの体育館だと。

もしかして今日体育あったのか1年生。

昨日ドッジボールしてなかったか1年生。

実にハードなスケジュール。あたしならサボってる。

っていうかふと思ったんだけど体育のたびにこうもぶっ倒れられちゃ春人もノアも変わりねぇよ。

ノアがもっと充電保てたらいいんだけどこれマジでスーさんに修理頼もうかなとか思ってしまうよ切実に。


そんな愚痴を脳内で炸裂させている内に体育館に到着。

ドアは開いてない。

もう一度言う。

ドアは開いてない。


ノア(お前)どこに居んだよ!!