頭上から突如聞こえてきた声に、あたしと未来は同時に顔を上げた。
そこには黒縁眼鏡にスーツ姿の外見はまあ良しとしても口を開けば残念でならない我らが担任・鈴木のスーさんがいらっしゃいました。
「あ、スーさん来てたんですか。」
「あ、スーさんチーっす。」
「さっき全力で“席につけ”と言ったのが聞こえんくらいに俺の存在感が薄いことはよくわかった。席につけ。」
「え、何言ってるんですかスーさんあたし等ちゃんと席ついてますよー。」
「お前の席はそこやなくて向こうやろうが!戻れ!切実に!」
「っていうかあたしの席ここにしません?」
「お前等2人が席近くなったら俺の手に負えんくなるやろうが。」
「理由それっすか。」
「センセーとしてどうなんすか。」
「いいから戻れ!ここの席の藤原が困ってんだろ!」
「あ、藤原くんチーっす☆」
「藤原じゃなくて萩原です」
「ちょ、センセーなに生徒の名前間違ってんの!あたしまで間違ったじゃん!」
「クラスメイトの名前を訂正できんかったお前もどうかと思うよ!萩原、実にすまんかった。」
「スーさん30歳目前にして若年性健忘症ですか。」
「キョウちゃん、もう若年性はつかないと思うよ。」
「……まさかの認知症…。」
「え、なに、お前等は俺に泣いてほしいの?」


